1950年代初期ソウル


初期のR&Bといえば、主にウエストコーストをベースにしていたクラブ・ブルース的なスムーズなスタイルが特徴でした。しかし1950年代初期にあっては、ニューヨーク、ニューオリンズ、ロサンジェルスなどの都市から新しいスタイルが生まれつつありました。リトルエスターがその先駆けとなり、ニューオリンズのファッツ・ドミノ、イースコーストのルース・ブラウンファイヴ・キーズクローヴァーズ、アトランタのチャック・ウィリス、フロリダのレイ・チャールズなどが動き始めていました。

1954年あたりになると、ドゥーワップグループが登場し、それにつれ、ロックンロールの時代もすぐそこまできていたようです。1955年に入るとロックンロールに火がつき、チャック・ベリーや、リトル・リチャードが名作を残し、フランキー・ライモンや、エルヴィス・プレスリーなどのヒット作により、ロックンロールブームは頂点に達したようでした。ロックンロール(ロック)というのは、白人の自己表現であって、黒人にとっては一つののダンススタイルにすぎませんでした。ロックンロールのヒット曲や名作を残した黒人アーティストは、ダンススタイルをとりながらも、ロックンロールの古典というべきスタイルをこの時代に残したのです。先にあげたチャック・ベリーや、リトル・リチャードの他にも、ファッツ・ドミノボー・ディドリーサーストン・ハリスドン&デューイラリー・ウィリアムスボビー・デイボビー・フリーマンキャデラックスデル・ヴァイキングスなどもロックンロールのヒット曲や名作を残しています。この時代にこのように沢山のロックンロールヒット、名作が黒人アーティストから生み出されたのですが、1950年代末には、ロックンロールの聴衆、購買層が白人ティーンエイジャー層に急激に広がり、ポピュラーでソフトなロックを求め始めたので、黒人聴衆を相手にしていた黒人アーティストの被害は大きく、彼らのロックンロールスタイルが行き詰ってしまったようです。

1958年頃になると様々な流れが生まれました。ドゥーワップグループのコースターズプラターズなどの、コーラススタイルが白人黒人を問わず受け入れられ、サミー・ターナージェシ・ベルヴィン、ゴスペル出身のブルック・ベントンなどの歌い方のスタイルも含め、R&Bの変革に影響を及ぼしました。それに忘れてはならないのは、三大ソロ・シンガーの存在です。この頃には、サムクックジャッキー・ウィルソンジェームス・ブラウンの活躍には目を見張るものがあり、1960年代ソウルの予感がありました。コーラスグループの動きとしては、ドゥーワップスタイルから離れ、ゴスペルスタイルを用いたインプレッションズドリフターズなどが挙げられます。ダンススタイルもロックンロールからソウルダンスへと移っていきました。立役者のオリンピックス、ブルージーな曲を持ち味とするハンクバラード&ミッドナイターズ、ゴスペルグループだったアイズレーブラザーズ、最初にR&Bにゴスペルを持ち込んだレイ・チャールズなどが、重要なソウルダンス曲を残しています。こうしたグループやソロシンガーの登場によって、R&Bからソウルへの分岐点となったのです。


<1950年代を知る為のアルバム>

A-C D-K L-Z
 アーティスト名 アルバムタイトル名
A Amos Milburn Let's Have A Party
B Baby WashingtonThe Best Of Baby Washington
Barbara LynnYou'll Lose A Good Thing
Billy EckstineGreatest Hits
Billy Ward And The DominoesBilly Ward And The Dominoes
Bo Diddley36 Super Numbers
Brook BentonGolden Hits
Buster BrownThe New King Of The Blues
C CadillacsThe Best Of The Cadillacs Vol.2
Charles BrownDrifting Blues
Chris KennerLand Of 1000 Dances
Chubby CheckerGreatest Hits 16
Chuck BerryVery Good
Chuck JacksonI Don't Want To Cry
Chuck WillisThe King Of The Stroll
Clarence HenryYou Always Hurt The One You Love
Clyde McphatterTreasure Of Love
CoastersThe Coasters
ContoursDo you love me
Cookie & The CupcakesFrom Louisiana Bayou
D Dee ClarkYou're Looking Good...
Dinah WashingtonA Slick Chick, The Rhythm & Blues Years
Don & DeweyDon & Dewey
E Earl KingThose Lonely, Lonley Nights
Ernie K-DoeMother-In-Law
F Fats DominoRock And Rollin' With Fats Domino
G Gary U.S. BondsDedication
Guitar SlimThe Things That I Used To Do
H Hank Ballad & The MidnightersSingin' And Swingin'
Huey 'Piano' Smith & His ClownsHaving A Good Time
I Inez & Charlie FoxxInez & Charlie Foxx
Isley BrothersShout!
Ivory Joe HunterIvory Joe Hunter
J Jackie WilsonThe Jackie Wilson Story
James BrownPlease Please Please
Jerry ButlerYour Precious Love
Jesse BelvinThe Casual
Joe liggins & The HoneydrippersJoe liggins & The Honeydrippers
Joe TurnerJoe Turner
Johnny AceMemorial Album
Johnny 'Guitar' WatsonThe Gangster Is Back
Johnny OtisThe Original Johnny Otis Show
L Larry WilliamsHere's Larry Williams
Lavern BakerLavern Baker
Little EstherBad Baad Girl!
Little RichardHere's Little Richard
Little Willie JohnFever
Lloyd PriceLloyd Price
Louis JordanLouis Jordan
M Marv JohnsonMore Marv Johnson
Maxine BrownThe Fabulous Sound Of Maxine Brown
O OlympicsDoin' The Hully Gully
P Professor LonghairMardi Gras In New Orleans 1949-1957
R Ray CharlesRay Charles
What'd I Say
Rosco GordonThe Legendary Sun Performers
Roy BrownBoogie At Midnight
Roy MiltonR. M. Blues
Ruth BrownRuth Brown
S Smiley LewisI Hear You Knocking
T TeenagersTeenagers
Thurston HarrisLittle Bitty Pretty One
Tomy HuntTommy Hunt's Greatest Hits
Your Man
W Wilbert HarrisonSoul Food Man
Wynonie HarrisGood Rockin' Blues
A-C D-K L-Z

関連書籍、資料から簡略引用させて頂き、個人の解釈によりまとめておりますので、間違いなどはお許し頂きます様お願いします。
年代別、カテゴリー別に分けてはおりますが、録音年のずれや、カテゴリー分けの不明確なアルバムが2重に記載されている場合もあります。
音源については廃盤になっているものや、入手困難なものもあります。ご了承下さい。
お目当ての音源が見つからない場合は、「グレイテスト・ヒッツ」「ベスト・オブ」や「アンソロジー」などを選べば代表的な曲は収録されています。