1970年代ファンクとニューソウル


公民権運動の盛り上がりと共に黒人の意識が覚醒していった1960年代後半。黒人達の間に「自分達も白人達と同様の権利を獲得できるかもしれない」という思いが現実的になってきた時代でもあります。そんな気持ちをひとつに、そしてポジティヴに表現する方法のひとつとしてファンクミュージックは重要な役割を持っていました。一般的にはジェームス・ブラウンを出発点としたファンクミュージックは、1970年代に入って進化、発展をしていきますが、そのきっかけとなったのは、黒人音楽中心地ではなく、その周りであるサンフランシスコから登場したスライ・ストーンでした。彼は10代の頃はベイエリアで過ごし、学生運動や、ヒッピームーブメントを体験し、開放的で自由な雰囲気が、今までとは違うスタイルを作り出す背景となったようです。グループなどの集団でサウンドを作り、共同体としての力を前面に押し出して、団結の音楽を表現したのです。それは、彼自身のグループ、スライ&ザ・ファミリーストーンにも表れていました。そこには、ジェームス・ブラウンのファンキーソウルに立ち込めるブルース感覚とは対照的に、色々な要素が入った都会的な空気、不思議な緊張感が感じられました。彼が提示した団結の音楽としてのファンクミュージックは、その後ファンクビートをダンスビートとして蘇らす方向と、黒人としての自覚を突き詰めた”ニューソウル運動”の方向へと2方向に分かれていきました。

公民権運動の盛り上がりを打ち砕いた1968年のキング牧師の暗殺。切実な思いを砕かれた彼らが抱いた心情、それが”ニューソウル”の根底になっています。社会に根強く蔓延する人種差別は、公民権法が成立してもいっこうに変わらないし、ヴェトナム戦争で仲間達を失い、そんな状況での黒人としての意識と同胞への連帯、失業、貧困、問題を抱え込んで悩む切実な姿から吐き出されるメッセージがメロウなサウンドにのせて吐露されていきました。復興を目指し、互いの主張や音楽を膨らませていく1970年代前半の黒人ミュージシャンの動きがニューソウル運動とよばれ、カーティス・メイフィールドダニー・ハサウェイマーヴィン・ゲイスティーヴィー・ワンダーが代表的ですが、ビル・ウィザーズアイザック・ヘイズロバータ・フラックなどもおり、黒人ミュージシャンの大半が影響を受けた様でした。

”サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”をモットーに勢いにのっていた、モーター・シティ、デトロイトに本拠地を構えるレコード会社モータウンは、デトロイト市民の誇りであって、モータウンサウンドはこの自動車産業を中心とした工業都市で作り出すどの製品にも引けを取らないほど優れた「輸出品」でした。しかし、1972年にモータウンは本拠地をロサンゼルスへ移してしまいます。モータウンは、若者の日常を題材にしたポップソングやラヴソングが殆どでしたが、公民権運動や、ヴェトナム戦争の泥沼化、ニューソウル運動など、政治的、社会的な状況は、モータウンに強い影響を及ぼす様になりました。マーヴィン・ゲイは、会社側が用意した曲を歌うのではなく、自らの楽曲を自らプロデュースした名盤「What’s Going On’」を完成させ、スティーヴィー・ワンダーもコンセプトアルバム「Music Of My Mind」「Talking Book」「Innervisions」で社会的なテーマを取り上げ始めました。しかし”サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”の理念が無くなってしまった訳ではなく、ジャクソン5の様なポップグループもモータウンミュージックを低年齢層にまで浸透させることに成功しています。

マーヴィン・ゲイスティーヴィー・ワンダーの活動に刺激を受けたミュージシャンも多く、パーソナルな個性を主張しようと、グループから脱退する動きも現れてきました。例えば、テンプテーションズを抜け、MFSBをバックにしたエディ・ケンドリックスシュープリームスからダイアナ・ロスミラクルズから、スモーキー・ロビンソンなどかなりの数になりますが、彼らのソロ活動がすべて社会的、政治的メッセージというのではなく、自分達の個性を主張したものとなりました。この頃になると、フォー・トップスグラディス・ナイトなど、モータウンを離れていくミュージシャンも多くいました。自己主張型へと変化してきた1970年代モータウンは、レーベル単位でサウンドを決定してくのではなく、個々のミュージシャンが自らの主張でサウンド作りを実践していく時代でもありました。一方モータウンを離れたライターチームH=D=Hは、1969年インヴィクタス/ホットワックスというレーベルを新設し、チェアメン・オブ・ザ・ボードジェネラル・ジョンソンハニー・コーンフレッダ・ペインワン・ハンドレッド・プルーフエイス・デイローラ・リーなどがヒットを残しています。しかし時代はファンクサウンドに変わりつつあり、このレーベルは1974年には活動も縮小し、歴史上の役目を終えるのでした。


1970年代フィラデルフィア(フィリー)ソウル


モータウンが弱体化していく中、ソウルミュージックの中心地となった地域がありました。北東部の都市、フィラデルフィアで生まれた黒人音楽はフィラデルフィアソウル=フィリーソウルと呼ばれ、華麗なストリングスに洗練されたサウンドを展開していきました。中心プロデューサーのギャンブル&ハフ、トム・ベルは黒人と白人が互いに影響し合う様な現場で仕事をしていく事で独自のポップセンスを身に付け、彼らの作品が万人に受け入れられたのもそうした経験による所が大きいといえました。ギャンブル&ハフは、イントゥルーダーズを手がけ、フィリーソウルの幕開けと言われ、トム・ベルが送り出したデルフォニックスのヒットは、フィリーサウンドを全国に知らしめ、このスタイルは1970年代主流になるスウィートソウルの先駆的存在となりました。ギャンブル&ハフは、ジェリー・バトラーオージェイズウィルソン・ピケットダスティ・スプリングフィールドなどを手がけ評判も高まりつつあった頃、CBSから傘下への誘いがあり、彼らは念願のフィラデルフィアインターナショナルレコーズ(PIR)を設立します。このPIR第一弾はオージェイズで、流麗なストリングスに軽快な演奏、ゴスペルライクな唱法で、ギャンブル&ハフの思想を託したコンセプトアルバムを作り上げました。又テディ・ペンダーグラスをリードにした、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツビリー・ポールなどのヒットは、ギャンブル&ハフの多面性をアピールした結果となりました。トム・ベルはPIRの作曲家/アレンジャーとして活動するかたわら、デルフォニックススタイリスティックススピナーズなどPIR以外のアーティストも手掛けていきました。

フィリーソウルと呼ばれる殆どの曲は、シグマサウンドスタジオで録音され、そのサウンドを奏でていたのが、アレンジャーのボビー・マーティン率いるMFSBという音楽集団でした。MFSBは黒人白人をはじめ、多人種の20代から50歳代で構成されており、「ソウルトレイン」のテーマ曲などはあまりにも有名です。フィリーサウンドとは、つまるところこのMFSBのオーケストラ演奏を聞くこと、といえるかもしれません。1970年代中頃になると、このMFSBのサウンドをバックにシグマでレコーディングするアーティストが後を絶ちませんでした。アーチー・ベル&ザ・ドレルズブルー・マジックなども成功したグループのひとつで、ウィスパーズデルズテンプテーションズフォー・トップスエディ・ケンドリックスカーティス・メイフィールドタヴァレスジョーンジズなど様々なアーティストや、デヴィット・ボウイエルトン・ジョンなど英国のミュージシャンまでシグマに押寄せるという現象にもなりました。フィラデルフィアは音楽シーンの中心地となりますが、同時に単なるヒット狙いのサウンド、と成り下がる気配もありました。

PIR全盛の1973〜1975年、力を持っていたMFSBの中心メンバー、ロニー・ベイカーノーマン・ハリスアール・ヤングの3人は(B=H=Y)、MFSBを母体とするトランプスというバンド始動させます。ヴォーカルを加えたMFSBの歌付きバンドという感じですが、良質なダンスナンバーは、当時のディスコブームに拍車をかけてしまった様でした。1977年頃には、B=H=Yを中心とするMFSBはギャンブル&ハフの元を離れ、サルソウルレコードのサルソウルオーケストラへと変貌していくのでした。一方、ギャンブル&ハフやトム・ベル他PIRは、ソロになったテディ・ペンダーグラスのヒットなど生み出してはいましたが、1970年後半には、MFSBの影が薄くなり、そのサウンドもスロー中心のメロウ度の高いものに変わっていきました。ジーン・カーンパティ・ラベルジョーンズ・ガールズなど女性アーティストを迎え入れたのもこの頃のようでした。PIRは、1980年前後には、CBSとの関係が悪化、さらにギャンブル&ハフの不調和などが重なり、壊滅状態に陥りますが、トム・ベルの弟、リロイ・ベルなども加わりなんとか頑張っていたようです。


1970年代シカゴソウル


1970年代シカゴのソウルシーンには必ず名前が挙がるのがカーティス・メイフィールド。1968年にカーティス自身のレーベル”カートム”を設立し、あのダニー・ハサウェイもスタジオミュージシャンとして参加していました。カーティスは1960年後半から、個人としての意識を強める様になり、よりメッセージ性を高めていきましたが、インプレッションズではそうしたアプローチも無理があった様で、結局脱退をしてしまいます。ソロに転向後は、より内面的な方向へと進んでいきました。カーティスの脱退により、リロイ・ハトソンが後任として加入し2枚のアルバムに参加しましたが、その後はプロデュースやソロ活動を行っていきました。しかし、1975年頃には、”カートム”も”ブッダ”から”ワーナーブラザーズ”へ、1979年には”RSO”へ移動し、それに伴ってカーティスのソロ作は、シカゴ〜ニュ−ソウル色は薄まり、リロイのサウンドはメロウ度を増していく様になります。1970年代後半になると、もはや、シカゴの”カートム”という主張は感じられず、1980年に幕を閉じてしまいます。シカゴ特有のホーン・セクション、踊るベースラインに優しくまろみのあるヴォーカルを聴かせるタイロン・デイヴィスもそうですが、シカゴのアーティストといっても、元は南部からの移住者である事が多く、南部との関わりは深いものがありました。カーティス・メイフィールドも1970年代には映画音楽を手掛けますが、グラディス・ナイト&ザ・ピップスステイプル・シンガーズアレサ・フランクリンなど、南部との結びつきの深いアーティストと関わっています。シカゴソウルの全盛期は1960年代後半から1970年代初頭だった様で、同時代に一世風靡したフィラデルフィアに比べると、同じ1970年代ソウル、というくくりではやりにくかったのかもしれません。


1970年代ファンクミュージック/ディスコ


1960年代後半に黒人達が法律上の自由を得る事によって、接触する音楽や、人間の範囲が広がり始めました。白人、ロックピープルとの接触でのファンクは、スライ・ストーン自体がそうであり、タワー・オブ・パワーウォーマンドリルグラハム・セントラル・ステーションルーファスなどが入り、ジャズやストリートに近い線では、クール&ザ・ギャング、アフロのラインでは、オシビサ、ニューソウル運動からは、アース、ウインド&ファイアなどがいます。こうしたソウルミュージックとの接点は、レゲエやサルサにも及び、LTG・エクスチェンジジョー・バタンも注目を浴び、サルソウルレーベルまでが出来上がっていき、アメリカの黒人音楽は、ずっと国際化するようになっていったのでした。1960年代ソウルの伝統から出てきたミュージシャンもたくさんいて、ノーザンからは、パーラメント/ファンカデリックファットバックバンドBTエクスプレスブラス・コンストラクションクラウン・ハイツ・アフェアコモドアーズサウス・サイド・ムーヴメントサウス・ショア・コミッションメイズビギニング・オブ・ジ・エンドニュー・バースアイズレー・ブラザーズ、サザンソウルからは、バーケイズミッドナイト・ムーヴァーズL・T・Dオハイオ・プレイヤーズミーターズ、ブルースからは、ルーファス・トーマスなどが挙げられます。ただ1960年代ソウルからそのまま1970年に入ってファンクバンドになった訳ではないので、バンドの方向性を知る目安と捉えた方がいいでしょう。

ファンクミュージックは、聴き手側としても周りの人達と同じグルーヴを感じ取れるわかりやすいものであり、高ぶる気分の中で多くの人々の心を結びつけるという役割を果たしていたかもしれません。荒廃していくアメリカ社会、そのあおりを受けてしまった黒人達にとって、ハードな日々を乗り越えるには、同じ境遇の仲間同士の団結が必要だったのです。1970年代初頭のファンクミュージックは音楽的にも商業的にもまだまだ低調でした。ひとつには、”ニューソウル運動”によるダンスミュージックの否定がソウル界全体を覆い、そうした曲のヒットを出しにくくしていたという事、さらにダンスサウンドとしては、フィラデルフィアサウンドの方が優れていたという事もあります。その事態が変わっていきたのは、1973年に入ってからで、”ニューソウル運動”も一段落つき、ダンスミュージック否定の行き過ぎが見直され、再び黒人音楽のダンスミュージックとしての面が受け入れられる様になっていきました。最初に出てきたのがロックサークルから出てきた、エリック・バードンをリードとするウォー、ジャズサークルからは、クール&ザ・ギャングで、再びダンスサウンドに火をつけるキッカケとなった「ファンキースタッフ」は、メッセージを排除したダンスに徹した曲としてストリート・ファンクの出発点といえるかもしれません。1974年になるとファンクブームは本格的となり、クール&ザ・ギャングエディ・ケンドリックスによる「ブギ」、コモドアーズケイ・ジーズカウンツドゥーリー・シルヴァースプーンによる「バンプ」など踊りの名がついたものが流行り出し、広範囲に広がっていきました。

同じ頃、マイアミソウルという動きがあり、ジョージ・マクレーK・C&ザ・サンシャイン・バンドのヒットが相次ぎました。マイアミがカリブに近い地域性を持っていたという事で、ファンクサウンドにはカリブ海の音楽に通ずる感触があり、ある意味では国際化を象徴していたといえました。この頃は、ヴォーカル&インストグループも目立った時期で、JBのバックバンドであったフレッド・ウェズリー&JBズバーケイズブラザー・トゥ・ブラザーファットバック・バンドマンドリルミッドナイト・ムーヴァーズジョー・クォーターマン&フリーソウルリップルサウス・サイド・ムーヴメントクラウン・ハイツ・アフェアBT・エクスプレスブラス・コンストラクションなど目白押しで、それはそのまま1976年あたりで頂点を迎える事になります。

この時期にファンクミュージックとして際立つスタイルを作り上げたグループはいくつかあり、オハイオファンクの雄、オハイオ・プレイヤーズは、独自のファンクサウンド=プレイヤーズサウンドを形成し、ストリートファンクの精神を後のグループに与えた影響は大きいといえます。同じくオハイオ出身のアイズレー・ブラザーズは、ゴスペルグループ出身の3兄弟を中心に6人組で、ゴスペルを基本にした歌と、ロックギターやスライ流ファンクの適度なブレンドでスタイルを作り出していました。ニューバースアイズレー・ブラザーズと同じくゴスペル出身の兄弟を中心としたグループで、”ニューソウル運動”に影響を受けながらも、ポップソウルやゴスペルバラードを歌っていましたが、メッセージを盛り込んだファンクを武器にしたスタイルを作り上げていきました。ロック畑から出てきたのがルーファスで、フィーチャーされたシンガー、チャカ・カーンのヒステリックな歌い方は、ファンクビートに合う唱法として、多くの女性アーティストに影響を与えた様で、そのチャカ・カーンと同じ性格を持っていた女性グループは、パティ・ラベルを中心としたラベルなどでしょう。

忘れてはいけないのが、アース・ウインド&ファイアで、彼らは”ニューソウル運動”の黒人としての内省的自覚といった問題意識を受け継いだばかりでなく、音楽スタイル、歌い方に至るまで深く影響されていました。モーリス・ホワイトに加え、フィリップ・ベイリーが加入してからは一段と飛躍し、輝かしい未来を夢想しようとする発想は、”ニューソウル運動”に影響されたものであり、フィリップ・ベイリーのファルセットを核にした新しいコーラススタイルの表現法は、後のヴォーカル&インストグループに大きな影響を与えたのでした。その後彼らは、”ニューソウル運動”の時の黒人としての自己といった問題から、”普遍的な愛”や”アフリカ”にまで広がっていき、スライ以来のファンクサウンドを大きく取り入れ、コーラスワークの美しさなど白人達にも支持され、ディスコでも大受けしていくのでした。

パーラメント/ファンカデリックのやり方はアース・ウインド&ファイアとはまったく違っていて、スライが見せたファンクビートこそが開放の手段だという理念を推し進めていました。”ニューソウル運動”の結果行き詰まる事になったメッセージ性を表に出す事なく、うなりを立てるファンクビートとしてその開放を表現しようとしていたのでした。ジョージ・クリントンをリーダーとするパーラメントに一時ブーツィー・コリンズJBズフレッド・ウェズリーメイシオ・パーカーが加入し、彼等はJBスタイルを受け継ぐ正統派ファンカーとなったのでした。1976年に発表した「マザーシップ・コネクション」に収録されている「Pファンク」のヒット以来、彼等の集団はPファンクの名前で呼ばれる事が多くなりました。ブーツィー・コリンズは、ブーツィーズ・ラバー・バンドを一方で始めており、Pファンク集団は巨大になっていきますが、その反面彼等の音楽は拡散していった様です。1970年代後半はPファンクに限らず、オハイオ・プレイヤーズといったグループも失速状態になり、その影でディスコサウンドが徐々に形を整え猛威をふるい始めます。

ディスコサウンドを最初に広めたのはヴァン・マッコイで、彼のプロデュースは、1970年代のノーザンサウンド的な傾向が強く、ブレンダ&ザ・タブレーションズフェイスホープ&チャリティプレジデンツなどの作品を残しています。同じ頃ウエストコーストでは、バリー・ホワイトフェリス・テイラーヴィオラ・ウィリスをプロデュースし、ラヴ・アンリミテッドのヒット曲などを制作しています。ディスコサウンドには、一定のリズムが重要で、これを、ギター、ベース、キーボード、パーカッションといったもので刻みますが、その際にBPMといった1分間当たりのビート数が主要な概念となります。ディスコサウンドのBPMは100〜140ぐらいで、人為的に作られた管理された音楽ともいえるのです。ファットバックバンドもファンク色が強いディスコヒットを出していますし、ヴァン・マッコイプロデュースのデヴィッド・ラフィンもBPMが統一されたディスコアルバムを制作しています。1976年には、フィラデルフィア系のダンスサウンド、ファンキーを含むダンスブームが頂点に達し、グロリア・ゲイナードナ・サマー、マイアミのK・C&ザ・サンシャイン・バンドトランプスロリータ・ハラウェイジョン・デイヴィスなどがディスコへの傾向を強めていきました。

1978年に入るとディスコブームは市場を荒らし、映画「サタデイ・ナイト・フィーヴァー」がそれに火を付け、シルヴェスターヴィレッジ・ピープルピーチス&ハーブなどディスコ界の人気者がたくさん出てきました。1976年くらいに頂点を迎えたアース・ウインド&ファイアは国際的スターグループとなっていったのですが、そのメッセージ色は薄れ、ポップファンクバンドへと変わりつつありました。ファンクバンドとして出発したコモドアーズは、ライオネル・リッチーのリードを生かしたバラードでヒットをとばし、後のブラックコンテンポラリーシンガーとしての姿を見せ始めていました。1979年に入ると、ナイル・ロジャースを中心としたシックが、ディスコサウンドのBPMに当たる均等のビートを提供し、ディスコファンに受け入れられていきました。この頃になると、ファンクやら、ディスコやらと区別する状況ではありませんでした。しかしこの時期こそ1980年代の新たなファンクサウンドが力をつけていたのでした。

1970年代はソロシンガーの受難の時代で、1970年代初めにニューソウル運動が起こり、続いて1973年から1974年頃はファンク、ダンスブームが起こり、さらに1970年代末のディスコブームへとなだれ込み、ソロシンガーにとっては、いい条件は無かったといえます。その中でも代表的なシンガーといえば、前半はアル・グリーン、後半はテディ・ペンダーグラスで、アルサム・クックジャッキー・ウィルソンの影響を受け、サザンソウルシーンの中心地に常にいましたが、やはりサザンソウルシンガーとは異質なものが彼にはありました。しかしいったんスタイルが決まると、立て続けにヒットを出し、空前の人気を獲得していきました。ゴスペルタイプの音楽に加え、1960年代のノーザンソウルの味を持っていたのが彼の人気の秘密であり、それに加えなまめかしい唱法で代表的なシンガーへとなっていったのですが、結局はその行き過ぎが、彼をゴスペルの世界へと押し戻してしまうのでした。そのアルを受け継ぐかのように登場したのが、元ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツテディ・ペンダーグラスでゴスペルの伝統に加え、バラディアー(黒人、白人にまたがって幅広く人気を得ているバラード歌いのシンガーの事)としての伝統を強く持ち、ディスコ時代に咲く一輪の花の様な存在でした。

デトロイトでは、マーヴィン・ゲイの成功を追うかの様にモータウンから出てきた、サム・クックの流れを持つウィリー・ハッチジャッキー・ウィルソンの流れのG・C・キャメロンが注目されました。デトロイトでは、ジーニー・レイノルズジョニー・ブリストルエドウィン・スターなども1970年代ソウルへの対応を試みていました。シカゴでは、ジーン・チャンドラーメイジャー・ランス、フィラデルフィアでは、アンソニー・ホワイトデヴィッド・シモンズなどが関心を持たれていました。1970年代というのは、サザンソウル系のシンガーを別にすれば不作の時代で、その理由は、1970年代に活動していたミュージシャンは、殆ど1960年代のソウルの伝統を背景に出てきたミュージシャンであり、彼等がニューソウル運動に足並みを合わせ、1970年代ソウルに自己のスタイルを合わせていくというのは簡単な事ではなかったのでした。1970年代ソウルを取り込みながら、育ってきた予備軍達は、1980年代に入ってデビューし始めるのでした。


<1970年代を知る為のアルバム>

A-B C-D E-G H-J K-M N-Q R-S T-Z
 アーティスト名 アルバムタイトル名
A Al Hudson & The Soul PartnersEspecially For You
Al JohnsonPeaceful
Anglo Saxon BrownSong For Evolution
Anthony WhiteCould It Be Magic
Aretha FranklinYoung, Gifted & Black
Arthur AdamsI Love, Love, Love, Love, Love, Love, love My Lady
Ashford & SimpsonIs It Still Good To Ya
Average White BandCut The Cake
B B.T. ExpressThe Best Of B.T. Express
Bar-kaysAs One
Dangerous
Money Talks
Barbara MasonLady Love
Barry WhiteBarry White's Greatest Hits
Can't Get Enough
Stone Gon'
Betty EverettLove Rhymes
Bill WithersStill Bill
Billy Paul360 Degrees Of Billy Paul
Billy PrestonThe Kids & Me
Black HeatNo Time To Burn
BloodstoneDon't Stop
Natural High
Bo Kirkland And Ruth DavisBo & Ruth
Bobby WilsonI'll Be Your Rainbow
Bootsy's Rubber BandAhh...The Name Is Bootsy, Baby!
BrainstormJourney To The Light
Brass ConstructionMovin' & Changin' : The Best Of Brass Construction
Renegades
BrickBest Of Brick
Good High
Brides Of FunkensteinFunk Or Walk
BrotherhoodBrotherhood
Brothers JohnsonBlam!!
Light Up The Night
Bunny SiglerThat's How Long I'll Be Loving You
C Chaka KhanChaka
Charles DrainDependable
Charles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm BandExpress Yourself : The Best Of
Cheryl LynnCheryl Lynn
ChicDance, Dance, Dance : The Best Of Chic
Risque
CommodoresCaught In The Act
Commodores
Natural High
Con Funk ShunSpirit Of Love
Crown Heights AffairDreaming A Dream
CultThe Mail Must Go Through
Curtis MayfieldBack To The World
Curtis
D D. J. RogersLove Brought Me Back
Danny JohnsonIntroducing Danny Johnson
David RuffinWho I Am
Dee Dee SharpHappy 'Bout The Whole Thing
Deniece WilliamsThis Is Niecy
Dexter WanselVoyager
Diana RossDiana Ross
Don DowningDoctor Boogie
Donna SummerBad Girls
Donny HathawayExtension Of A Man
E Earth, Wind & FireGratitude
That's The Way Of The World
Eddie HolmanA Night To Remember
I Love You
Eddie KendricksAt His Best
Edna WrightOops! Here I Go Again
F Fat Larry's BandGreatest Hits
Fatback (Band)One Nation Under A Groove
Nycnyusa
The Fattest Of Fatback
Faze-ORiding High
Freda PayneBand Of Gold
Funk, Inc.Super Funk
FunkadelicOne Nation Under A Groove
G G. C. CameronLove Songs & Other Tragedies
GalaxyHot, Wet & Sticky
Gene ChandlerDuke Of Chicago Soul
General CrookGeneral Crook
George & Gwen McCraeTogether
George McCraeRock Your Baby
Graham Central StationGraham Central Station
Greg PerryOne For The Road
H Hamilton BohannonThe Very Best Of Bohannon
Harvey ScalesConfidential Affair
HeatwaveCentral Heating
I Isaac HayesLive At The Sahara Tahoe
...To Be Continued
Isley BrothersThe Heat Is On
It's Your Thing
J J. R. BaileyJust Me'n You
JacksonsThe Jacksons
James BrownThe Payback
Revolution Of The Mind
JB'sDamn Right I Am Somebody
Food For Thought
Jean CarnHappy To Be With You
Jeannie ReynoldsOne Wish
Jerry ButlerSweet Sixteen
Jimmy Castor BunchIt's Just Begun
The Best Of Jimmy Castor Bunch
Jimmy JacksonRollin' Dice
Joe SimonThe Sounds Of Simon
Johnny BristolBristol's Cream
K Kay-Gee'sKeep On Bumpin' & Masterplan
KC And The Sunshine BandKC And The Sunshine Band...And More
Kool & The GangWild And Peaceful
L L. T. D.Love To The World
Something To Love
LaBelleNightbirds
LakesideShot Of Love
Lamont DozierLove And Beauty
Larry SaundersThe Prophet Of Soul
Leroy HutsonLove Oh Love
Loleatta HollowayLoleatta
Lost GenerationThe Sly, Slick And The Wicked
Lou RawlsAll Things In Time
M Major HarrisMy Way
MandrillThe Best Of Mandrill
New Worlds
Margie JosephSweet Surrender
Marilyn McCoo & Billy Davis, Jr.I Hope We Get To Love In Time
Marvin GayeWhat's Going On
Marvin Holmes And JusticeHonor Thy Father
Mass ProductionFirecrackers : The Best Of Mass Production
McFadden & WhiteheadMcFadden & Whitehead
Melba MooreMelba
MetersRejuvenation
The Very Best Of The Meters
MFSBLove Is The Message
MiamiMiami
Michael JacksonOff The Wall
Michael WynnGod Has Blessed Our Hands
Mike James KirklandHang On In There
Milt MatthewsMilt Matthews
Minnie RipertonAdventures In Paradise
MiraclesCity Of Angels
Mother's FinestMother Factor
MutinyMutiny On The Mamaship
N Natalie ColeThis Will Be : Natalie Cole's Everlasting Love
Natural FourNatural Four
Nature's DivineIn The Biginning
New BirthBehold The Mighty Army
The Very Best Of The New Birth Inc.
Norma JenkinsPatience Is A Virtue
Norman ConnorsMr. C.
O Ohio PlayersFire
Skin Tight
P ParliamentMothership Connection
Patrice RushenPizzazz
Patti LaBelleLady Marmalade : The Best Of Patti And LaBelle
Peabo BrysonI'm So Into You : The Passion Of Peabo Bryson
Peaches & HerbThe Best Of Peaches & Herb
People's ChoiceBoogie Down U. S. A.
Perfect CircleWe're #1
Phyllis HymanLoving You, Losing You : The Classic Balladry Of
PocketsCome Go With Us
PrincePrince
Q QuazarQuazar
R RaydioRaydio
Rick JamesBustin' Out Of L Seven
RippleRipple
Roberta FlackFeaturing Donny Hathaway
Killing Me Softly
Rose RoyceIn Full Bloom
Stronger Than Ever
Rufus & ChakaMasterjam
Rufusized
Rufus ThomasDo The Funky Chicken
S Salsoul OrchestraAnthology
7th WonderWords Don't Say Enough
Side EffectRainbow Visions
Sidney Joe QuallsSo Sexy
Sir Joe Quarterman & Free SoulSir Joe Quarterman & Free Soul
SlaveSlave
Sly & The Family StoneStand!
Fresh
Smokey RobinsonA Quiet Storm
South Shore CommissionSouth Shore Commission
South Side MovementMovin!
Stevie WonderInnervisions
Sugar BillySuper Duper Love
SunSunburn
Wanna Make Love
Sydney Joe QuallsSo Sexy
SylviaPillow Talk : The Sensuous Sounds Of Sylvia
SyreetaStevie Wonder Presents Syreeta
T Teddy PendergrassLife is A Song Worth Singing
Three DegreesThe Three Degrees
Timothy WilsonTimothy Wilson
Tower Of PowerBack To Oakland
Tyrone DavisGreatest Hits
V Voltage BrothersThrow Down
W WarWhy Can't We Be Friends?
The World Is Ghetto
Wild CherryWild Cherry
William DeVaughnBe Thankful For What You Got
Willie HutchSoul Portrait
Y Yvonne FairThe Bitch Is Black
A-B C-D E-G H-J K-M N-Q R-S T-Z
関連書籍、資料から簡略引用させて頂き、個人の解釈によりまとめておりますので、間違いなどはお許し頂きます様お願いします。
年代別、カテゴリー別に分けてはおりますが、録音年のずれや、カテゴリー分けの不明確なアルバムが2重に記載されている場合もあります。
音源については廃盤になっているものや、入手困難なものもあります。ご了承下さい。
お目当ての音源が見つからない場合は、「グレイテスト・ヒッツ」「ベスト・オブ」や「アンソロジー」などを選べば代表的な曲は収録されています。